銀座通りを”BEAUTIFUL”と書かれた紙を持ったヒッピー風の男が歩いていく。最後に”モーレツからビューティフルへ”というテロップが流れる。日本の広告史に残るあのCM に出ていたのが加藤和彦だった、というのは追悼本で知った。
飄々として、センスが良く、多趣味でフットワークが軽い。世間より一歩先を行っている。
フォークル解散後のソロ活動からサディスティック・ミカ・バンド、安井かずみと組んだ「ヨーロッパ三部作」の頃までの加藤和彦はいつもそんな感じだった。
1975年にロキシー・ミュージックの前座として出演、大好評を博したイギリス・ツアーの記録である本作は、ツアー終了後に解散した第一期ミカバンドのラストアルバムでもある。ミカと離婚し、メンバーとも別れた加藤和彦が何ともいえない表情でジャケットに収まっている。
カセット録音のため音は良くないが、イギリスの観客を前にした緊張感のある演奏が素晴らしい。
[投稿者:この辺りの者でござる]
エゴ ~ 加藤和彦、加藤和彦を語る
表紙に同じ写真が使われているインタビュー集「エゴ」は読み応え十分!付録にCD「第一期ミカバンドの日本ラストLIVE(at 神田共立講堂)」がついています。